水滸のことば



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2007年総括

2007年を振り返る。

1.blog「水滸のことば」を始める:blogを始めたきっかけはゼミ連絡だったが、「そんなの関係ねぇ!」ゼミ生はあまりblogを見ないようなのでゼミ以外の話題も多く書くことにした。心に留めておくと精神衛生上よくないことをできるだけソフトに書いたつもりだが、読む人の印象は違うらしい。まもなくblogも一年になる。不定期になるが今後もできるだけ続けたい。

2.夏の上海滞在:楽しい10日間であった。中国へは4年ぶり、一週間を超える滞在は南京留学以来の20年ぶりであった。変貌著しい中国と変わらぬ中国を実感した。そして「食の安全」を自ら体験し、帰国後一週間体調不良が続いた。

3.ゼミ生の激増:例年2~3名程度のゼミだった。今年は新たに7名がゼミ生になった。始まる前はどうなることかと思ったが、人数の多い利点もある。少人数の場合、ゼミ生の関心にこちらが合わせることができる。しかし困るのは「語学のゼミだよ」と事前に説明し、自ら選んだはずなのに「語学で卒業研究を書きたくない」というケース、結局こちらが歩み寄るしかなかった。ところが多人数だと個別の対応ができない。よってこちらに歩み寄ってもらうことになる。こちらのテリトリーなら指導はやりやすい。これが利点だ。今年はゼミ生のがんばりもあり、ゼミに活気があり充実した時間を過ごせた、と感じた私は「KY」かな?

最後におまけ
5.「横綱」昇進問題:横綱昇進の条件とは何か? 品格それとも実績?朝青龍と白鵬の両横綱は「抱き合わせ・セット販売」だったのか? どうも人ごとでは思えない問題だ。

では、よいお年を。
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by clingmu | 2007-12-29 20:56 | ひとりごと

CEFRのお勉強

日曜日、明海大学で開かれた応用言語学のセミナーに参加した。CEFRはCommon European Framework of Referenceの略称で、直訳すれば「ヨーロッパ共通参照枠組」、この枠組は外国語習得の汎言語的コミュニケーション能力をA1~C2の6段階に規定したもので、C2の難度がもっとも高い。考え方の大枠としてはたいへん興味深い。このグローバル・スタンダードは現在外国語教育界を席巻中であり、やがて中国語のCEFRも議論になるだろう。

AO(入試)、(現代)GPそして今度はCERF、このところアルファベット語に悩まされている。もちろん私だってアルファベット語は使っている、CDは毎月のように購入している、S&Gは70年代からのお気に入りだ…あっ、これでは「KY」だ。

まもなく中国語の世界にも来襲するであろうCEFRにどう対応するか? コミュニケーションという概念はあまりに「汎言語的」だ。「応用言語学」の研究対象としてはよいかも知れないが、私にはそのような領域をカバーする能力も時間もない。

極端な例。私が助手として今の大学に来た当初、主な仕事は来日したばかりの中国人教師のお世話係だった。ある時この先生を実家に招待した。母と同世代の先生は通訳なしでわずかな日本語の単語を頼りに母と十分コミュニケーションをとっていた、二人の間には「共通言語」が存在していたように思う。この先生のコミュニケーション能力はCEFRの高いレベルにあった。

こんな場合はどうか? 最近学生と日本語(母語)による意思の疎通がままならないことがある、それも少数ではない。長時間接しているとその学生がけっして悪い人間ではないことは分かるが、授業中の対応は明らかにコミュニケーション力不足だ。

一方、自分の自慢話ばかりする教師はどうか? いくら言語による表現が豊かでも相手と会話にならない。かく言う私にも問題がある。視力が低下してから人とのコミュニケーション能力が著しく低下した。周囲の状況が判断できない、相手の表情が読めない、人とコミュニケーションをとるのに多くの情報を視覚から得ていたことに改めて気づかされる。言語能力はそんなに変わってないはずだ。

コミュニケーションの概念にはこういった多くの要素が含まれる。語学を教えていながら一見矛盾するようだが、私はできるだけこういった諸要素を排除したい。来年は「朗読」と「音読」を中心に中国語の授業を進めようと思う。学生を型にはめる「没コミュニケーション」的な授業が理想だ。私にできることは中国語によるコミュニケーションを成立させる前段階のトレーニングだと考えている。

セミナーへの参加はとても有意義であった。が、それにしてもセミナーの司会者や科研リーダーの先生、あなたたちのコミュニケーション能力にはかなり問題がある、CEFRならAレベルだ。自分たちの研究を自身のパフォーマンスで無力化しないことを切に願う。
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by clingmu | 2007-12-18 21:23 | ひとりごと

スパムメール

大学のメールアドレス宛にはさまざまな迷惑メールが届く。とくに学科のメーリングリスト〈zhongwen〉宛には悪質なメールが多い。今日、大学のメールを開くと同僚のS先生から仕事関係のメールが届いていた。早速開くと、

「青春時代の恋愛って、とてもいい思い出になりますね」

S先生の心境に何か変化でもあったのだろうか? 文章を書く練習にblogでも書いたら、と日頃から言っていたので、メールでも凝った文章を書くようになったのかと思った。

そんなことはなかった、アドレスを確認すると〈zhongwen〉宛の迷惑メールである。S先生のメールをクリックしたつもりだったが、一つ下のメールをクリックしていた。

どうやらまだS先生の文章修行はまだ始まっていないようだ。
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by clingmu | 2007-12-17 23:14 | ひとりごと

「監督」就任

今日はサッカーにまつわるお話。

サッカー日本代表監督に岡田武史氏が就任した。我が家で熱心に日本代表の試合を見始めたのが今から10年ほど前、岡田監督が代表を率いてW杯初出場を決めた頃だ。当時は加茂監督の更迭を受けてコーチからの「昇進」だった。今回はオシム監督急病による就任だ。

そんな予感はあった、たぶん岡田氏だろうと。就任と聞いてまず思った、なぜ断らなかったのか? 彼はかつて代表監督を「クレイジーな仕事」と言っていた。たぶん断ることもできない状況だったのだろう。就任についての事前折衝はきちんとあったのだろうか? 「監督にするから関係書類を早く提出しろ」というメール1通だけだったかも知れない。組織(日本サッカー協会)には絶対的な権力者が君臨する。地位に見合う権力は行使できるのだろうか? 権力を与えられないまま地位に見合った成果を期待されるのではないか? いろいろなことが心配になってくる。引き受けた以上、記者会見では「全力を尽くす」と言うしかない、やる気を見せなくてはいけない。

ジーコが代表監督になってからすっかり代表の試合を見なくなったが、久しぶりに我が家では岡田ジャパンを温かい目で見守ることになりそうだ。
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by clingmu | 2007-12-08 21:46 | ひとりごと

2007年度生卒業研究テーマ決定

昨日年内最後のゼミがあった。今年は日程の関係で例年より早めの終了だ。今年のゼミでは『水滸傳』第30回から精読を始め、第31回「鴛鴦楼の大殺戮」で首謀者3名を殺害したところまで読んだ。今年はゼミ生のがんばりもあり比較的じっくりと読むことができた。

2学期に入ってからはゼミ生各人が卒業研究で取り上げるテーマを意識して読むようになった。ゼミ生の意識の高さか、はたまた教員の「腹黒い」誘導か、今年は年内に来年度取り組むテーマが出そろった。以下、そのテーマ(仮題)を掲載しようと思う。なお、( )内は指導教員からの「応援メッセージ」だ。

「『水滸傳』の使役を表す“叫”について」
(中国語では使役と受動が表裏一体、君の人生は、使役型それとも受動型?)

「『水滸傳』における“把(将)”の用法について」
(余力があれば“取”“拿”も? それとも動詞+“将”+方向補語にチャレンジ? テーマの「つかみ」がポイントです。)

「『水滸傳』における方向補語“过”について」
(研究テーマをグッと自分の領域に“过”しよう!)

「『水滸傳』におてる可能補語“V不C”と“V不得”」
(中国語の可能補語は否定形が圧倒的に優勢ですが、「できない」などと言わず、ぜひとも肯定的に取り組んでください。)

「『水滸傳』における方向補語“下”について」
(テーマをしっかり「定着」させ未来へ向けて「持続」させましょ、テーマから「離脱」しないように。)

「『水滸傳』における方向補語“起(来)”について」
(上昇志(指)向」のあなたにピッタリのテーマ、取り組み「始めれば」、きっとうまく「まとまる」はずです。)

「『水滸傳』における方向補語“上”について」
(“上”を向いて前向きに取り組もう!きっと目指す「目標に到達」できるはずです。)

卒業研究へ向けた準備作業は年明けから始まる。
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by clingmu | 2007-12-05 23:24 | ゼミ連絡

一筋の光明

1年生中間試験の採点が終わった。半分終了の時点でどうなるかと心配したが、全体ではそこそこの平均点になった。

苦しんで勉強した痕跡が至る所に見られた。大学での試験はHSKや中検とは性格が異なり、たんに中国語の実力を測るだけの試験ではない。授業の評価は、学生が授業の内容をいかに理解し、それをどう試験に生かすかによって決まる。たとえば、中国語作文。「通じる」=正解、ではない。相手がそこにいれば、時に言葉は不要かも知れない、名詞や動詞を連呼すれば「通じる」ことも多い。授業が前提となる試験ではこちらの意図した(授業で習った)語彙なり文法事項を用いて作文しないと減点の対象だ。

まだ多数とは言えないが、授業で説明した内容が試験に反映されているのを見ると嬉しくなる、と同時に上のレベルを求めたくなる。今しばらく「今いる学生を伸ばすノウハウ」を模索してみようと思う。
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by clingmu | 2007-12-01 23:43 | ひとりごと


水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
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