水滸のことば



カテゴリ:ひとりごと( 68 )


「水滸のことば」ふたたび

今年度からゼミの内容を一新した。そしてゼミから水滸伝が消えた。

私が今の大学を勤務先として選んだ最大の理由は、専門学科なら近代漢語の授業ができる、という点にあった。20年前は各大学で中国語の履修者が右肩上がりに増えていた。中国語を教える教員の需要もあった。

ところが現在、「中国語学科」は「中国語コース」となり、60名いた学生は20名となった。そしてゼミから水滸伝がなくなった。

そんな折、卒業生から声がかかった。「仕事に余裕ができたのでまた中国語の勉強でも始めようかと」「水滸でも読む?」というわけで、今月から毎月1回、ささやかな読書会を開くことになった。参加者は卒業生2名と私の計3名。水滸伝第21回宋江の説話から読むことにした。

思わぬ形で「水滸のことば」とまたつきあうことになった。
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by clingmu | 2009-05-10 13:30 | ひとりごと

大学祭終了

「水滸のことば」研究発表会が昨日無事終了した。

初日と2日目の研究発表会にはゼミのOB、OG以外にも外部から多くの人が集まってくれた。2日目には30席ほどの会場がほぼ満席となり、こちらの期待を上回る予想外の反響だった。

最終日には「裏メニュー」として「ゼミ最終授業」を行った。ゼミで水滸について話すのもこれで最後か、と思うと複雑な心境だった。まだしゃべるか?というゼミ生の気配を感じつつもしっかりと1コマ分の「最後の授業」をした。勤務する大学には「最終講義」の慣例がない。それはそれで大学として一つの「見識」を示すものとして尊重するが、研究を標榜する大学としてはいささか寂しい気がする。よって今回の授業は大学祭という場をお借りして行った「最終講義」でもあった。

これで一区切りがついた。今後「水滸のことば」はゼミのオプションとなる、水滸を読みたいというゼミ生は出てくるかな?来年度のゼミでは新しい試みを始める予定だ。新たな挑戦の模様はいずれまたどこかで報告しようと思っている。
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by clingmu | 2008-11-04 20:13 | ひとりごと

発表会まで1ヶ月

「水滸のことば」研究発表会まで1ヶ月を切った現在ゼミでは発表会のレジュメ作成に取り組んでいるところだ。用意した「材料」をどのように「調理」し、おいしい「料理」に仕上げるか、シェフ(ゼミ生)はその技量が問われる。発表会のプログラムは現在調整中、まもなくこのブログで告知の予定だ。
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by clingmu | 2008-10-04 22:12 | ひとりごと

ゼミ説明

大学の2学期が始まった。今回は2年生のオリエンテーションで来年度ゼミの説明をした。説明の内容は1学期とほぼ同じ。

ゼミの題目は「語学研究」だが、「研究」はしない、いや、できない。中国語の語学力が初級レベル(HSK5級以下)で語学の研究は無理だ。よってゼミでは語学力向上のために授業をする。目標は3年終了時点でHSK6級以上を取得すること。もちろんゼミの週1回だけでこの目標をクリアせよと言うのは不親切なので、他の授業も履修してもらう。例えば、火曜日は1限レベル、3限検定中国語、5限ゼミさらに帰宅後にラジオ中国語講座を聴く。そして目標のHSK6級が取得できない場合は留年してもう一度3年生をやり直す。

HSKを語学力の基準とすることには問題もあろう、だが学生には明確な到達目標を示す必要がある、それに中国語の力が備わっていればどんなテストでもよい成績を収めるものだ。さてこんなゼミに何人の学生が来るか? HSK6級不合格=留年というゼミに、もし毎年20名の学生が集まるのであれば(ありえない!)、3年生の専門コースに「中国語ハイパークラス」を設け、20名の学生を2クラスに分け、若い先生と分担して「ハイパーゼミ」を開き学生たちを鍛え上げるカリキュラムをくめるのに……

新学期早々また悪い夢を見たようだ。
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by clingmu | 2008-09-21 18:31 | ひとりごと

夏休みの課題(中間報告)

8月末までに用例集がほぼ完成し、ゼミ生へはメールで送付した。用例の分類も一通り見終わり、こちらは登校日に学生へ提示した。分類改訂版は9月15日までに再提出とした。そしてこの2週間、発表用レジュメの下書きをし、速読授業の報告を仕上げた。夏休みの課題であと残るは、オリジナルテスト(GP)の作成だ。これはお手伝いなのでリーダーの指示待ちである。なかなか忙しい夏休みになってしまった。来年は避暑にでも出かけたい、今、我が家では来年の夏休み旅行計画を話し合っている。
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by clingmu | 2008-09-07 20:30 | ひとりごと

五輪閉幕

北京五輪が閉幕した。そしてこの2週間、水滸の用例チェックと用例分類の見直しに追われた。用例チェックはかなり根気の要る作業でしんどかったが、用例分類の見直し作業では興味深い語法現象が見られた。水滸には複合方向補語の派生用法はまだまだ未発達で、ほぼ「方向義」しか見られないが、〈起来〉は例外で現代語にある派生義が出そろっていて、用例数も多い。学生たちがどう分析するか、この先楽しみだ。

作業の合間、息抜きに五輪を観戦した。。印象的だったのは8月15日に北京に流れた「君が代」だった。この日は柔道の最終日、女子は中国選手が金メダル、男子は日本選手が優勝した。柔道会場では〈义勇军进行曲〉と「君が代」がともに。8月15日は〈抗日战争胜利63周年〉の記念日である。さらに同日、「なでしこ」じJapanはサッカー準々決勝で中国チームを2-0で撃破した、ここでも「君が代」が流れたはずだ。今は五輪がすべて、なのだ。
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by clingmu | 2008-08-24 22:49 | ひとりごと

用例チェック完了

水滸の用例チェックが完了した。すべての用例を見直すのにお盆をはさんで丸一週間かかった。

各テーマごとに用例全体をながめることでどんな語法的特徴が明らかになるのか、最初は高い志だった。3日目を過ぎるあたりから、雲行きが怪しくなった。学生たちは私が仕事をサボらないように工夫をしていた! 漢字の入力ミスが後を絶たない。途中から作業の中心は文字の訂正および日本語表現の添削にシフトしていった。文字の入力ミスを分類するとこんな感じだ。

①繁体字→簡体字のミス:
〈與〉→〈兴〉、〈曾〉→〈会〉
②漢字の認識ミス:
〈迸〉→〈进〉、〈拔〉→〈拨〉、〈披〉→〈坡〉、〈敢〉→〈取〉
③論外のミス:〈宋江〉→〈宗江〉

まだまだあるが悲しくなるのでこの辺でやめる。これでは日本語訳も推して知るべしだ。結局、日本語訳の添削に終始することになった。

用例チェックが終わり、課題が一つ片付きホッとしている。
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by clingmu | 2008-08-18 18:06 | ひとりごと

ゼミ説明会

木曜日にゼミ説明会があった。この説明会は来年度のゼミを2年生に紹介するもの、教員一人10分の持ち時間のため詳しいことを話す余裕はない。私が強調したのは以下の3点:

1.中国語能力の向上を目指すゼミである。(題目は「語学研究」)となってるけど「研究」はやらないよ)
2.ゼミの一年目は速読や〈听写〉など語学のトレーニングを中心に行う。(トレーニングがイヤなら敬遠した方がいいよ)
3.卒業時にHSK6級取得を最低のノルマとする。(検定対策やるけど君たちも努力しないと卒業できないよ)

ということは? ゼミから近代漢語(水滸)が消える! ブログはどうする? 中国語学科とともに水滸のゼミは幕引きとなる。

火曜日には2年生がゼミ見学にやってくる。3年生はしっかり速読の練習をしておいてほしい、2年生の前で恥をかかないためにも。
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by clingmu | 2008-06-29 10:39 | ひとりごと

時代は変わる

速読の授業が第10回を終了した。レベル⑩に合格した学生は53名中7名、7名中3~4名が1分間300文字を突破できそうだ。

ところでレベル⑩は〈高考〉の話題、冒頭はこう始まる。

1976年中国粉碎了四人帮,……

そこで聞いてみた。「1976年に中国で何があったかな?」、あまり反応がない。学生たちにとっては生まれる前のことである、唐山大地震、毛沢東や周恩来の逝去「四人組」追放による文革の終焉…学生たちにしてみれば歴史の知識として知っているかどうかだ、その当時自分は…という記憶はない。

先日のゼミで介詞〈于〉の用法を《现代汉语八百词》で調べた。すると例文に〈马克思生于1818年〉とある。ゼミ生全員が〈马克思〉を知らなかった。30年前の中国語学科ではあり得ないことだが、今の学生を責めることもできない。なにせ現在の中国は「社会主義市場経済」、マルクスだって腰を抜かすにちがいない。この先「毛沢東って誰?」と質問する中国語専攻の学生が出てきても不思議はない。
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by clingmu | 2008-06-22 15:28 | ひとりごと

4年生も速読

先週から4年生のゼミでも速読が始まった。きっかけはゼミ・コンパ、4年生の一部から「速読をやりたい」とのリクエストがあった。さっそく先週の木曜日に教材を配布、読む速度は4年生に敬意を払い1分間250文字以上に設定した。その場でレベル①を読み参加したゼミ生全員が見事合格した。速度は問題ない、しかし発音やリズムという点ではまだまだ改善の余地がありそうだ。

授業で上級生に発音の指導をする機会は少ない、それは上級生の発音がすばらしく直すところがないからではない、授業の目標が別にあり発音を直す時間的余裕がないだけのこと。上級生たちもできれば意識を改めてほしい、4年になって発音を直されるのは別に恥ずかしいことではない、苦手な発音は誰にでもある。大打者イチローだって毎日素振りはする、信頼するコーチの意見なら謙虚に聴くだろう。

一口に発音と言ってもピンインをただ正確に読むだけではない、文のリズム、強弱や緩急などにも注意して読んでほしい。音声教材をよく聴いてプロの読みを忠実に再現してみよう。大きな声を出して中国語を読むのは気持ちがよいものだ、きっと健康にもよい。木曜日までにしっかり練習してほしい。
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by clingmu | 2008-06-08 21:02 | ひとりごと


水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
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