先日のブログで新学期ゼミの計画について書いた。少人数で講読を行う。講読では辞書をこまめに引き、辞書をじっくり読む。《现代汉语词典》を教科書に指定しようと思っている。学生にとって中中辞典はは敷居が高い、私も学生時代そうだった、だから授業で引き読んでもらう。
数年前、「中国人の頭の中を辞典にする」というコンセプトの辞典が日本で出版された。考えてみれば《现代汉语词典》こそ「中国人の頭の中」がもっともよく分かる辞典だ、よって日本語は載っていない。
《现代汉语词典》は中国語の語彙を増やすのに最適だ。〈改变〉を引く、動詞の語釈①に〈事物发生显著的差别〉とあり、用例に〈山区面貌大有改变〉と〈随着政治、经济关系的改变,人和人的关系也改变了〉を挙げる。〈改变〉の意味をさらに中国語で理解し、用例で確認する。さらに語釈②は〈改换;更动〉とそっけないが、〈改变〉の同義語を覚えることができるだけでなく、用例〈~样式〉〈~口气〉〈~计划〉〈~战略〉などにより、語と語の組み合わせを学ぶこともできる。
だが、《现汉》は万能ではない。〈核心〉を調べると、語釈に〈中心;主要部分(就事物之间的关系说)〉とあり、用例に〈领导~〉〈~小组〉〈~工事〉〈~作用〉が挙がっている。〈工事〉が日本語の「工事」でないのは新鮮だが、しっくりしない用例が多い、用例の選択にもう少し改革開放を求めたいところだ。《现汉》を引くとよくこのような経験をする。なにせ「中国人の頭の中」だから、異文化体験と思って諦めるしかない。
新学期にゼミ生は中国出版のただ堅い文字通りハードカバーの辞典を毎週持ってこなくてはならない。ちゃんと持ってきてくれるかな?