水滸のことば



こんな入試はいかが?

先日大学の「ネズミの相談」会議でAO入試の合否判定があった。幸い中国語を本学で学びたいという高校生はまだいるようだ。

最近では多くの大学で実施しているこのAO入試、かなり変わった選抜方式である。日本お得意のアメリカ追随方式らしいが、勉強不足でその理念を私は知らない、また知りたいとも思わない。

AO入試が導入されてからの大まかな統計では、この入試で中国語学科に入学した学生の半数近くが入学後1、2年で留年している。中にはとても熱心で意識の高い学生もいるが、この人たちはほかの入試でもきっと合格するだろう、ということは、AO入試とは入学後留年の可能性が高い学生を選抜するための入試ということになる、少なくとも私はそう理解している。

「少子化」の進む現在、競争力のない大学は学生確保がたいへんだ、「定員割れ」は避けなくてはならない、学生を一人でも多く集めようと入試の「安売り合戦」となる。一部の大学では、入試が学生を選抜するという本来の意味をもたなくなっている、まさに「全入」時代。我が大学も残念ながら入学者を選ぶ立場にない。いっそ入試は一日だけ、当日早く来た者から入学を許可する、という方式に改めたほうがよいと私はかなり真剣に考えている。

入学はフリーパスだが、入学後はきちんと勉強してもらう、というのが我が大学の方針だと思っていた。勉強の楽しさ、中国(語)の面白さをを知って積極的に学習する、というのは理想論、「留年」の2文字で学生を脅し勉強を強制するのが効果的、新入生の周囲には昨年の新入生が何人もいる、それが何よりの証だ、学問の楽しみは勉強をしてからだ。高校まであまり勉強していないのだから体力は残っているはずだ。

ところが、先日の「ネズミの相談」会議で、FDの名の下に大学として留年者・休学者そして退学者を減らすよう努力する旨の発言があった。入学後、退学者や留年者が多い=学生の面倒見が悪く教育に熱心でない大学、ということになるらしい。まったくバカげた理屈だ。留年者を減らすのは至極簡単だ、「社保庁」の仕事を見習えばよい。

文科省や大学の評価機関の目ばかり気にして、現在在籍している学生の実態から目を背ける大学は今後その存在価値自体が危なくなるだろう。
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by clingmu | 2007-10-14 18:19 | ひとりごと
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水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
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