水滸のことば



〈~自〉について

7/4のblogに引いた例〈枉自折武松的草料〉に見られる〈枉自〉の〈自〉は水滸でよく見かける「曲者」です。〈枉自〉の〈自〉は副詞の接尾辞として使われる例で、第30回にはこの他にも〈兀自〉〈已自〉〈也自〉などが出てきます。また水滸では〈自〉が単独で主語と述語の間に置かれる例もよく見られます。

老管营自回安平寨理事〈30-3b-1〉

この〈自〉は前後の文脈によって〈自己〉や〈自然〉といった意味に解釈できそうな場合もあるのですが、水滸では「主体を明らかにする働き」をする〈自〉がさかんに用いられます。

「主体を明らかにする働き」については7/4に配布したプリントを参照してください。これは香坂順一氏の『《水滸》語彙の研究』(光生館1987年)からコピーしたものです。この〈自〉についてはまだまだよく分からない、つまり説明不十分なところもありそうです。卒業研究のテーマとしてこの〈自〉を取り上げてみよう、という勇気のあるゼミ生はいるでしょうか?

なお、香坂順一氏には別に『白話語彙の研究』(光生館1983年)があり、いずれも近代漢語の語彙語法を考察する上でまず参考にすべき著作です。
[PR]
by clingmu | 2007-07-08 22:45 | ゼミ連絡
<< 進化するHSK 「折草料」(ゼミ7/3) >>


水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31