水滸のことば



教育法の試み

ここ数年、わたしが担当する中国語科教育法では高校等での教育実習(実習は英語で行うことが多い)直前の4年生に中国語学科の授業を担当してもらっている。今年は2名、1年生の x-class と y-class をそれぞれ1コマ担当してもらった。

大学では近年、中国語の教員免許取得希望者には英語科または国語科の免許を合わせて取るよう指導しているようだ。確かに中国語の教員免許だけを頼りに中学または高校で常勤の職を得る可能性はほぼゼロに近い。だが、真剣に英語や国語の教員を目指すのであれば、中国語を専門で学ぶ余裕はない。だから高校等で中国語を教える常勤の教員は大学時代に中国語以外を専門とする人が圧倒的に多いはずだ。逆に、大学では「無免許」で中国語を教えることができ、わたしも免許を持っていない。結局、中国語学科の学生にとって中国語の教員免許は大学で免許取得のため多くの余分な(?)単位を取ったという証でしかない、というのが実情だ。

それでも毎年数名の履修者がいる。履修者に対して時に申し訳なく思うことがある。車の免許にたとえるなら、免許を与えながら一度も路上で運転することがないということだ。せめて「路上教習」の機会だけでもと教育法履修の4年生には中国語学科1年生に中国語を教える「実習」をしてもらっている。

授業で1年生に迷惑をかけるわけにはいかないし、変なことを教えられては担当教員としても困る。入念な準備が必要だ。3年2学期の教育法で中国語の発音指導について考え、その授業内容を踏まえて4年の教育法では、教案を作り模擬授業を数回実施する。今年はわたしの編んだ発音教材から「早口言葉」と「漢詩」を使った発音練習の授業をしてもらった。授業時間は高校等の授業に合わせて約50分、授業終了後、1年生にアンケートを実施した。

アンケートの結果によれば授業はおおむね好評で、これから実習に行く学生たちのよい励みになったようだ。これまで授業を受ける側だった学生が立場を変え、違う場所から眺めた教室の風景は学生たちの目にどう映ったのだろうか? きっと新しい発見があったはずだ。よい経験になってくれればと思う。少しは教員の苦労も感じてくれたかな?

1年生にとってもこの授業は新鮮だったらしく、普段より集中力が長もちしたように感じられた。とすれば、わたしの授業も大いに改善の余地がありそうだ。そんなことにも気づかせてくれる実習授業である。
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by clingmu | 2007-05-26 21:20 | 教学
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水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
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