水滸のことば



iPod来襲

昨日我が家に2台のiPod,「nano」と「shuffle」がやってきた。CD を何枚も入れて音楽を楽しもう,などと考えていたが,いつの間にか妻がiTunesからPodcastなるものをダウンロードしてきた。聞かせてもらって衝撃を受けた。これを使えば自然な国語の会話を何度でも繰り返し聞くことが可能だ,音質もよい。

自分が中国語の学習を始めた30年前を今更振り返ってもまったく意味がないが,それにしても……。

中国語の音声教材はカセットテープがあるだけ,あとはラジオの短波放送で「音のグラデーション」がかかった所謂「北京放送」を聞くくらいか。その後も長い間テープ時代は続いた。とくに中国で出版されたテープは品質の悪いものが多く,時にカセットレコーダーに入れ再生を押したと同時に寿命を迎えるものもあった。中国製のテープ教材は必ず最初に複製を作る習慣が身に付いた。最近では中国の教材でもCD付のものも見かけるが,このCDがまた曲者である。60分を過ぎるととたんに怪しくなる,音飛び,同じ箇所の繰り返しといった昔のレコードを彷彿とさせる「アナログ」的な代物だ。

大学生はかなりの人がiPodのような「秘密兵器」を携帯しているらしい。iPodの購入にはお金がかかるがインターネット環境さえあれば無料のPodcastも多くあるようだ。教科書や参考書のCDを入れてもよい。さらにはCCTVさえスカパー!に加入すれば月2千円程度で毎日テレビで中国語を聞くことができる。音は悪いが短波放送のようなことはない。

高いお金をかけて留学に行く必要はない。中国語の環境は日本で自分の周りに築くことができるのだ。さらに言えばPodcastで聞く中国語が聞き取れないのに,どうして現地の人の話す中国語を聞くことができようか。「語学的」にはかなり聞く力をつけてから留学に行った方がよいだろう。留学に行って異文化を体験し「人間力」を高める? いや,日本で人間力を磨いてから行かないと中国の人たちの迷惑になるだけだ。

それにしても羨ましい環境になったものだ。iPodによる「デジタル」の攻撃に今「電子辞書禁止令」が揺らいでいる。そうだ,今度は「留学禁止令」にしようかな。
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by clingmu | 2007-03-22 21:21 | ひとりごと
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水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
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