水滸のことば



《明容與堂刻水滸傳》(排印本)

e0109427_18121035.jpg《容與堂本水滸傳》(全二冊)上海古籍出版社1988年。この本は上海人民出版社影印本を底本とする排印本(活字本)である。縦組み繁体字、影印本の「眉批」なども小さめのポイントで再現されている。

影印本を忠実に活字化しようとはしているが、「里」「裏」「裡(示偏もある)」などはすべて「裏」に統一されている。これらの文字表記は言語の時代認定に関わるものであり、近代漢語を歴史的に研究するにはやはり影印本を使わなくてはならない。

排印本では容與堂本の缺けた文字や明らかな誤刻について内閣本や120回本などで校訂し、改めた箇所を丁寧に明示するよう配慮されている。ところが影印本の「相」を「像」に黙って直すなど過度の配慮もされているようだ。

研究に使用するには問題点を含むとはいえ、現在中国で出版されている排印本(100回)の中ではもっとも信頼に足る本であろう。ゼミではこの排印本を使って卒業研究の執筆を指導している。

なお、大島吉郎編『容與堂本「水滸伝」語彙索引』(近代漢語研究会1998年)はこの排印本をテキストに用いている。
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by clingmu | 2007-05-07 20:20 | 書籍
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水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
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