水滸のことば



好漢・宋江

先週の土曜日に2回目の読書会があった。前回に引き続き宋江の物語を読んだ。

宋江は言わずと知れた梁山泊の総大将、好漢中の好漢、のはずだ。しかし『水滸伝』に登場する宋江はどうもぱっとしない。たいして好きでもない愛人を若い男に寝取られ、その愛人を殺害し、逃亡するはめとなる。宋江は田舎町の下っ端役人であり、風采も上がらず小太り、たいした武芸もない。ただやたらと金だけは持っていて気前がよい。そしてその名声は江湖にとどろき、好漢たちなら誰でも知っていて尊敬の念を抱いている。やたらと人望が厚い。どうしてこんな男が?と感じることしばしばだ。

「管理者」のもっとも大切な心得は、いかに部下を管理しないかにあると聞く。この点から言えば宋江は管理者としての能力を充分兼ね備えていると言えよう。梁山泊の好漢たちを過度に束縛したりはしない。暴れ者李逵に対してはもっと管理すべきかとも思うが。

管理者の地位にありながら管理者らしく振る舞わない。なかなかできることではない。やはり宋江でなければ梁山泊の好漢たちを束ねることは難しいのかも知れない。
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# by clingmu | 2009-06-01 15:47 | 水滸

宋江の物語

今回の読書会で読むのは『水滸伝』第21回、宋江による閻婆惜殺害の話だ。この話は『大宋宣和遺事』にも見え、水滸説話の中でもかなり早い時期に成立したと考えられている。しかし『水滸伝』の文章が宋江説話成立当時の言語をそのまま反映しているとは限らない。この点が厄介なところだ。

『水滸伝』第21~22回の言語には他の回には見られない用法が見られる。『水滸伝』に収められた宋江説話はいつどこで書かれたものなのか?そんなことを考えながら読むのも今回の読書会の楽しみの一つだ。
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# by clingmu | 2009-05-17 16:06 | 水滸

「水滸のことば」ふたたび

今年度からゼミの内容を一新した。そしてゼミから水滸伝が消えた。

私が今の大学を勤務先として選んだ最大の理由は、専門学科なら近代漢語の授業ができる、という点にあった。20年前は各大学で中国語の履修者が右肩上がりに増えていた。中国語を教える教員の需要もあった。

ところが現在、「中国語学科」は「中国語コース」となり、60名いた学生は20名となった。そしてゼミから水滸伝がなくなった。

そんな折、卒業生から声がかかった。「仕事に余裕ができたのでまた中国語の勉強でも始めようかと」「水滸でも読む?」というわけで、今月から毎月1回、ささやかな読書会を開くことになった。参加者は卒業生2名と私の計3名。水滸伝第21回宋江の説話から読むことにした。

思わぬ形で「水滸のことば」とまたつきあうことになった。
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# by clingmu | 2009-05-10 13:30 | ひとりごと

大学祭終了

「水滸のことば」研究発表会が昨日無事終了した。

初日と2日目の研究発表会にはゼミのOB、OG以外にも外部から多くの人が集まってくれた。2日目には30席ほどの会場がほぼ満席となり、こちらの期待を上回る予想外の反響だった。

最終日には「裏メニュー」として「ゼミ最終授業」を行った。ゼミで水滸について話すのもこれで最後か、と思うと複雑な心境だった。まだしゃべるか?というゼミ生の気配を感じつつもしっかりと1コマ分の「最後の授業」をした。勤務する大学には「最終講義」の慣例がない。それはそれで大学として一つの「見識」を示すものとして尊重するが、研究を標榜する大学としてはいささか寂しい気がする。よって今回の授業は大学祭という場をお借りして行った「最終講義」でもあった。

これで一区切りがついた。今後「水滸のことば」はゼミのオプションとなる、水滸を読みたいというゼミ生は出てくるかな?来年度のゼミでは新しい試みを始める予定だ。新たな挑戦の模様はいずれまたどこかで報告しようと思っている。
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# by clingmu | 2008-11-04 20:13 | ひとりごと

研究発表会プログラム

「水滸のことば」研究発表会プログラム

期日:2008年11月1日(土)、2(日)
会場:1412教室

第1日 11月1日(土)
 14:00~  水滸のことば
 14:15~ 『水滸伝』に見られる
        方向補語〈起(来/去)〉の用法について 
( 休 憩 )
 15:00~ 『水滸伝』に見られる
        方向補語〈下(来/去)〉の用法について 
 15:30~ 『水滸伝』に見られる
        可能補語の否定形式について 

第2日 11月2日(日)
 13:00~  水滸のことば              
 13:15~ 『水滸伝』における使役表現について
        -〈教(叫)〉を中心として-
 13:45~ 『水滸伝』に見られる
        〈V过(来/去)〉の用法について
( 休 憩 )
 14:30~ 『水滸伝』における〈把(将)〉の用法について       
 15:00~ 『水滸伝』に見られる
        方向補語〈上(来/去)〉の用法について
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# by clingmu | 2008-10-19 15:03 | 水滸


水滸伝の言語に興味を抱く、ある語学教師のぼやき。ときどきゼミ連絡。
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